日本内部統制研究学会 
会長 神林比洋雄
2016年11月
会長就任のご挨拶


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拝啓
 紅葉真っ盛りの季節となり、師走を目前にあわただしい時期となりましたが、皆様におかれましては、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
 去る10月1日に明治大学駿河台キャンパスを会場にして開催されました、第9回日本内部統制研究学会全国大会で行われました役員選挙において、第4期(2016〜2019年)の評議員、理事および監事が選出され、直後の新理事会におきまして、私、神林が新会長として選出されました。
 当学会も、基礎を築かれた初代の川北博会長(2007〜2010年)、そして、当学会の活動の骨格を形作られた鳥飼重和会長(2010〜2013年)、さらに当学会の確固たる基盤を築かれた八田進二会長(2013〜2016年)の多大なるご尽力により、創立10年目の現在、正会員、準会員そして賛助会員を合わせて約260名を超す会員の皆様からなる学会へと成長してまいりました。
 私自身、何分にも、浅学非才の身ではありますが、こうした多くの皆様のご期待にお応えすべく、当学会の発展に向けて、微力ではございますが全力を傾ける所存でございます。つきまして、ここに、会長就任のご挨拶を申し上げますとともに、会員の皆様の絶大なるご支援とご指導を賜りますよう、心からお願い申し上げる次第です。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 内部統制は、会社法における内部統制システムや金商法における財務報告に係る内部統制報告制度の要請に加え、コーポレートガバナンスコードにおける経営陣のリスクテイクを支える仕組みとして、さらにガバナンスが有効に機能する上での重要な基盤として、この10年間でその位置づけは今や社会的に広く認知されてきています。最近では、東京都が築地市場移転問題を巡り、内部統制プロジェクトを立ち上げたとのニュースは記憶に新しいところです。内部統制は、言うまでもございませんが、適切なトップのTone at the Top、企業・組織の誠意ある姿勢のもと、経営陣のリスクテイクを支え、戦略実現の確からしさを高めると共に、起こっては困ることを予防し、万が一起こったことに対しては直ちに発見し、適切な対応を通して速やかに回復させることを目的としています。つまり、あらゆる組織において、その存立に不可欠な仕組みと言えます。
そこで、内部統制が実務においてどのような役割を実際に果たしているか、現時点においてどのように受け入れられているかを確認すべき時期に来ているように思います。学術的にも、また、実務的にも、どのような知見が得られるのか、内部統制に関して今後の検討課題と言えるのではないでしょうか。
 最近は、財務報告に係る不正のみならず、開示情報に係る不正も数多く発覚しており、より有効性の高い内部統制が求められています。その一方で、持続的成長のために経営陣の旺盛なリスクテイクを支え、健全かつ公正な企業活動を促進し、かつ、透明性の高い情報発信を支えるためにも、社会の人々の内部統制に対する正しい理解を得て、より質の高い内部統制がいっそう浸透していくことができますように、皆様の限りないお力添えをどうぞよろしくお願い申し上げます。
 以上、大変僭越ではございますが、会長就任に際しましてのご挨拶を申し上げます。
 会員の皆様におかれましては、益々のご活躍とご健康をお祈り申し上げます。
 
敬具